【諸江史耶】サウンドフリージョイが「自由」を与える理由

自由は楽ではない

よく誤解されていることを今日はお話させていただきます。

それは「自由=楽」といった解釈です。

もちろんその一面もあるのですが、特に社会人になったあとはそうでもないよ、ということを、説明させていただきます。

多くの学校は「課題」というものが与えられ、その課題を全力でこなせば、結果がついてきますよね?

そしてそのまま企業に就職して、同じように「課題」を与えられて、それをこなすことに報酬が発生して、その毎日を送る。

僕らはこうして、常に「課題」と向き合い続ける人生を送っていくんです。

ただ最近は、その流れに抗って「自分でやることを決めたい」という人が増えてきています。

その考え方自体は大変素晴らしいのですが、その動機が「そのほうが自由で楽だから」ということであれば、ちょっと考え直したほうがいいと思います。

「やることを作る」というのは、「やることがある」という状況が甘く感じるほど、難しいことだよ、という事実があるんです。

なぜなら、あなたは生活費を稼がなくちゃいけないから。

その時に、与えられた課題をこなすことで生活費が稼げることと、ゼロから価値を作って生活費を稼げることは、大きな難易度の差があります。

「解くべき問題」がない毎日って、苦しいんですよ。
どうやら僕らは「解くべき問題」がないと、まともに立っていられない。
だけど、問題を作るのって、メチャクチャ難しい。

だから仕事の単価って、「問題を解く人」よりも、「問題を作る人」の方が高いんです。
これは作業の難易度に比例しています。

そしてこれこそが「サウンドフリージョイが『自由』を与える理由」で、社会に出る前に「自由」に慣れて欲しいなあという思いで、積極的に自由を取り入れるようにしています。

生徒に対しても「次何弾く?」「この部分はどうやって練習してみる?」など、課題を自ら創造してもらってますし、うちのスタッフに対しても「自らジョイの課題を見つけて、お仕事を見つけてね」と伝えています。

ほとんどの教育施設が「課題」を出してくれているので、僕らは「課題」ではなく「自由」を与えて、社会人の育成をするようにしているんですね。

ちなみに、僕自身も「自由」を選択した人間で、その楽しさも苦しみも色々と経験しました。

そんな自由を選択した先輩から一つだけ、自由側のアドバイスをするなら「毎日やる課題を設けておく」です。

僕の場合は、このブログだったり、ラジオだったりがそうですね。

これによって作業量は増えましたが、思考量は減ってるんです。

「思考量が減る」というとネガティブに聞こえますが、思考量をコントロールしないと、身体がもたないんで、作業と思考のバランスは超大事です。

要するに「仕事をゼロから量産できる自分に期待しない」ということだと思います。

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