【諸江史耶】これからの音楽教室にはコミュニティーが欠かせない

僕は日頃約80人の生徒さんと変わりばんこにレッスンをしていて、レッスンが無い日は1ヶ月に一日歩かないかというスケジュールで動いてるんです。

そんな中、とある生徒さんから「他の生徒さんが、どんな人なのかお会いしてみたい」というので「自分の生徒さんだけが入れるコミュニティー」を作ってみたんですね。

それからまた別の生徒さんから「発表会のようなイベントやりませんか?」と聞かれたので、とりあえずやってみたいと思って一昨年くらいから、「コミュニティー限定の年末イベント」として始めました。

そんな経緯があって、僕は「モロオフ会」という、生徒さん限定コミュニティーを立ち上げたわけなんですけども、今日はこういったコミュニティーが、現代の音楽教室には絶対必要だよねーというようなお話をしたいと思います。

さて。

僕は今からコミュニティーの楽しさを言葉で説明しようとしているわけですが、多分実際に体験してみないと、実際の凄みや感覚って、絶対にわからないと思います。

でも、とりあえず、すごい良いんです。

例えば毎年年末に行なっている「モロオフ会発表会イベント」も、ピアノが入ったお店を貸し切って行なっているので、お店の中には「コミュメンバーしかいない」という環境が作られています。

言い方を変えると、共通言語や共通の世界観を持っている人しかいない空間が、むちゃくちゃ幸せなんですね。

世界にはいろんなコミュニティーが混ざっていて、A,B,Cそれぞれのコミュニティーのルールが違うわけです。

AとBのコミュニティーは「ご飯屋さんでは静かにしよう」なのに、Cのコミュニティーだけは「騒ごう」となっていると。

そんなコミュニティー同士が同席したときに、不快感が生まれてしまう構造ですよね。

でも僕らのコミュニティーが主催する「発表会イベント」は、お店の中に「モロオフ会」の人しかいないので、自然と、誰が決めたわけでもなく、ルールが決まってくるんですね。

しかも、全員が「諸江の生徒」という共通認識で動いているから、話題にも困らない。

逆に、そこで秩序を乱す動きをしてしまうと、このコミュニティー内における、自分の立ち位置が悪くなってしまう。

そんな理由から、どんな飲み会を開催しても、全員優しいし、嫌な酔っ払い方をする人が誰一人としていない。

ここまでが「コミュニティー」のメリットなんですけども、ここからは「音楽教室にはコミュニティーが必要」について、もう少し踏み込んで話したいと思います。

音楽教室の(特に大人の)生徒は、みんな自分が稼いだお金と、自分の時間を、自分の判断で使ってピアノを習いにきているわけですから、皆それぞれに「夢」があるんですね。

ピアノを通じて、叶えたい「夢」です。

そんなメンバーで集まったもんだから、ドリームキラーがいないんですよ。

「次僕はこういう曲を弾きたいんだ」という人がいたとして、それに対して聞き役で馬鹿にする人は一人もいなくて、親身に向き合って実現可能に少しでも近づく作戦を、一緒に考えてくれる人や、背中を押してくれる人ばっかりなんです。

音楽教室という場所で、コミュニティーを作ってみると、意図せずして「挑戦を後押しする文化」が構築されたんです。

以上の理由から、音楽教室はコミュニティーを作ることがおすすめ、というか、今後作らないで生き残っていくのってすごく難しいんだろうなあと感じたという、そんなお話でございました。

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